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健康で効率的な最低限度の生活

社内失業、ミニマリズム、スポーツ

「女性が期待されないんですよね。若い女の子がいるだけでいいと思われてる」社内失業しているKさんに話を聞いた

Kさんは北関東の建築会社で働く一般職の女性。2014年の新卒社員として入社した。社会人になってまだ半年ほどだ。

「入社した時からおかしいな、とは思ってたんですよ。担当する業務がほとんどなかったからです。でも最初は、『周りも遠慮してるのかな』ぐらいに思ってたんですけどね。

コピーを取るにしても、伝票を切るにしても、入社したばかりの頃は時間がかかってたんですが、今となっては、そればっかりやってますから、すぐに出来ちゃうんですよ。やることがなくて、先輩に相談したら『5年前、6年前のファイルが紙で残ってるから、それを綺麗に整理すれば』『それをデータにしてPCに打ち込めば』とアドバイスされたんですが、それもうやっちゃってますから…」

Kさんはなぜ社内失業に追い込まれたのか。話を聞いた。

Kさんは都内の私大生で、就職活動をはじめたのは3年生の12月から。半年後の6月に今の会社から内定をもらい、就活を終えた。

「実際に選考を進めたのは、20社ぐらい。内定もらったのも、すごく苦労したということはないけど、簡単だったわけでもないです。

志望していたのは一般職。いわゆる一般事務です。理由は、わたしが文系で、営業が嫌だったから…。とはいえ、一般事務は女子大生、短大生と椅子の取り合いになるので、倍率は決して低くはないんですけどね。

業界にはこだわりがなかったので、内定をもらった時も『ここでいっか』ぐらいの気持ちで、同じ時期にもらっていた総合職SEの内定を蹴りました」

Kさんが内定をもらった建設会社は、北関東を中心に展開する大手の企業で、社員は300人ほど。

「総合職で採用されたのは男子だけで、10人ぐらいです。一般職で、事務として採用されたのは私ともうひとり、短大の女の子でした。
総合職の男子たちは、入社後に各地の営業所でいろいろな研修をするんですよ。泊まり込みで。でも一般職の私たちは、本社に配属されて研修などはありませんでした」

Kさんは工務部という部署に配属されることになる。

「私が配属された工務部は、男性3人、女性がわたし含め2人の部署です。マンションが設計図通り建てられているか、工事は予定通りに進められているかをチェックしたり、建てたあとの定期点検をしたりする部署で、昼間は総合職の男性はみな現場に出てしまいます。

私の他にもう一人いる女性は、40代の一般職の方で、CAD(キャド。設計用のアプリケーション)が使えるので、総合職のアシスタントのようなことをしているようです。

配属された日から、基本的には放置ですね。同じ部署のみなさんも、私がなんの業務も与えられていないことは知っているようなんですが、それでも忙しいみたいで…。(増田→上司からのパワハラ、というわけではないんですか?)パワハラでは全くないですよ。体育会系で女性が少ない職場なので、若い女の子というだけで周囲もやさしいです。『暇かもしれないけど、ちょっとのんびりしててよ』っていう感じ。パワハラというよりはむしろネグレクトが近いかもしれませんね」

自らの境遇をネグレクトと表現した彼女。なぜKさんは、仕事のない部署に配属されてしまったのだろうか。

「実は、私が配属される前に、50代の女性がいたんですが、彼女が異動で別の部署に行くことになったそうなんですよ。

異動とはいえ同じフロアなので、『彼女に色々と聞いて、業務を引き継いでほしい』と言われたんです。つまり、別の部署ではあるけど、その50代の彼女が私の教育係というわけなんですね。

でも、色々と聞いていると、彼女自身も特に業務を持っていなかったみたい。誰かに何か雑用を頼まれない限りは暇だった。つまり、私への引き継ぎ業務は特になかったみたいなんですね。
『やることないんですけど、何かありませんか?』って相談にいくと、『秋になれば、教えられることも多少あるんだけどね。まだ夏だからね』って断られちゃうような状況で…。

とはいえ、同じ部署のCADアシスタントの女性に聞いても、『ある程度の専門性が必要だし、自分の判断であなたに仕事を渡していいのか分からない。私に言われても困ります』と断られてしまいました」

女の子ということでチヤホヤされる一方で、業務を与えられず放置されてしまったKさん。上司はどのように彼女を扱っていたのだろう。

「上司の考えとしては、『電話をとってくれて、コピーを取ってくれて、雑用が必要になったらいてくれる、それだけでいい』って思ってるんだと思います。

先日も『今日は3時間ぐらいしか働いてないでしょ?」と言われた。実際はもっと少ないんですが…。そういう発言をするということは、私に仕事がないことを知ってるということですよね?でも、必要な業務を洗い出して割り振ろうという感じでもないし、『なにサボってるんだ?』って怒るわけでもない。とはいえ上司も忙しそうで、それどころじゃないんだと思います。部署の誰が悪いというわけでもない、根本的な何かが間違っているのかな」

Kさんは、自社の状況を以下のように分析する。「女性が期待されていない会社だ」と。

「うちの会社は、たぶん男社会「過ぎる」んですよね。男性の総合職は、皆最初は建築の現場に回されます。怖くて厳しい職人の人たちと毎日仕事をしながら、知識や経験を得て、次第に管理する側に回っていく。土曜日も働いている人が多いし、酷使されている感じがあります。

一方で、女性は期待されないんですよね。若い女の子がいてくれるだけでいい、と思われてるんだと思う。

同じ部署のCADを触っている女性の机に、あるとき設計図に混じって解きかけのクロスワードパズルの紙が置いてあったことがあったんです。

『この人も、本当は暇なんだな。この人が私の数少ない仕事をやることになったら、自分は本当にいらない存在になってしまう』

そう思った時、転職を決意したんです。今は会社に行きながら専門学校に通っているんですが、転職を決意するまでは、よく泣きながら帰宅していました。今はすごく前向きに、勉強して資格を取って転職したいと思ってます。『なんで私のことを採用したんですか?』って聞いて、辞めたいですね」

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