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健康で効率的な最低限度の生活

社内失業、ミニマリズム、スポーツ

「定年を迎え会社を去るはずだった社員が、契約社員として再雇用されてしまったんですよ」社内失業しているWさんに話を聞いた

インタビュー 社内失業

Wさんは北関東の某貿易関連企業で働く40代の男性だ。

「1日の業務は30分あるかないか。担当分野の書類の整理整頓が主な仕事です。暇な時間は、インターネットで趣味のサイトを見て時間をつぶしてます。株や為替の値動きを見たり。投資信託やFXの勉強をして、家に帰ってから売買するんですよ。さすがに会社で売買しようとするとブロックされて『そのページにはアクセスできません』という画面が出ちゃうんで……。

席の後ろを他の社員が通ることもありますが、もう最近は気にせずにやってますね。 家族には「仕事はそこまで忙しくない」とは言ってるけど、何も無いとは、言ってません。言いにくい。ただ心配させちゃうだけなんで」

Wさんはなぜ社内失業に追い込まれてしまったのか。話を聞いた。

Wさんは今から15年前、同じ業界で働いていた友人2人と意気投合し、貿易関連の会社を設立した。海外の取引先を増やしていくなど会社運営は順調だったが、2008年のリーマン・ショックで取引先が次々と倒産。経営が立ち行かなくなったという。

「取引先のお客さんに『アルバイトでいいから雇ってくれ』と声をかけたところ、社長から『むしろ社員としてきてくれ。ある社員が定年になるからそのポジションに代わりに入ってほしい』とお願いされたんですよね」

アルバイトとして働きながら再起を狙う予定だったWさんだったが、「自分のスキルを存分に活かせそうな良い話だ」と正社員として入社を決める。しかし……

「定年を迎え会社を去るはずだった社員が、契約社員として再雇用されてしまったんですよ。

社長は金持ちのボンボンだったから、現場のことをよく知らなかったんじゃないかな。定年になるはずだった60代の社員が抱えていた仕事量は、もともと多いわけじゃなかった。私が入社したことによって、その少ない仕事をふたつに分けなきゃいけなくなったんです」

入社前の話と現実に大きな食い違いがあったわけだ。ここにWさんが社内失業に陥る原因があった。

「配属された部署は、辞めるはずだった上司とふたりきりの「新規事業開発課」。しかも、上司は4年後には再雇用の無い本当の定年を迎えるから、今ある仕事を粛々とこなしていればいいんだ、という意識が強い。新しい仕事を作ろうとしても拒否されるし、昔のつてで新規の仕事の話を持ってきても、なんだかんだと理由をつけてやらせてくれない。

入社を勧めてくれた社長には相談しにくいんですよね。だって、『じゃあ、転職すれば?』と言われてしまうかもしれないじゃないですか。40代、家族もあるし、生活していなければならないし。

転職も考えました。今まで3社に応募してみましたが、面接にも行けずに「残念ですが…」という連絡が来ただけ。(増田→年齢の問題もあるんでしょうか)それもあると思うんですが、元経営者という経歴が、ひっかかってるんじゃないかと思っています。我が強そうだとか、命令を聞かなさそう、と思われてるんじゃないかな。でも、もし転職先が決まったとしても、私はしばらく実務に携われていないわけですから、本当に即戦力になれるのか、自信ありませんよ。その会社で上手く行かなかったら、もう後がない。そう考えると、臆病にもなりますよね」

実は、Wさんが今の会社に入社する前、「うちおいでよ」と言ってくれる会社が他にも数社あったという。

「でもその時は「入社が決まったからには、一生懸命この会社で働くんだ」という気持ちが強かったので、断ったんですよね。今となってはね……後悔してます。本当に、後悔ですよ。

上司は4年後には定年になるわけだから、4年我慢すれば、仕事を引き継げるし、ある程度は自由に裁量を持ってやれるから……と自分を鼓舞していますが、4年って長いですよね」

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