健康で効率的な最低限度の生活

社内失業、スポーツと健康

「どのくらい勉強しているかって? ずーーーーーーーっとですよ。朝から晩まで」社内失業していたMさんに話を聞いた

Mさん(25歳男性)は東大の大学院を卒業後、大手の某監査法人に就職した。現在は、公認会計士のサポートが主な業務だという。
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東大を出て、監査法人に。傍から見ればエリート街道まっしぐらな人生に見えてしまうが、「実際は違う」とMさんは言う。なぜなら、入社後仕事をうまく割り振られず、担当の業務がない「社内失業」の状態に陥ってしまったからだ。

「監査法人って、業界そのものが“暇”になりつつあるみたいですね。景気が悪くなって、いままでクライアントだったお客さんがつぶれちゃって、仕事がない。加えて、リーマンショック前の好景気の時期に大量に新卒を採用しちゃったらしいんですよ。だから、人がものすごく余ってる」

Mさんの身に何が起きたのか。話を聞いた。

多くの監査法人は、リーマンショック前にきちんと実務を経験した「ベテラン」と、入社後実務を経験できずに放置されてしまった「新人」に分かれてしまっているという。
当然、仕事は業務経験者の元に集まり、Mさんのように業務経験の少ない新人のところには回ってこない。彼はいつしか担当の業務をほとんど失ってしまった。

「ちょっと上の世代の、仕事のやり方を知っている人は、ある程度は忙しいみたい。だけど下の方は業務を回せるレベルじゃない。公認会計士の職務は、 仕事の内容が専門的で、難しいんですよ。だから当然、普通にこなすにも相当な量の勉強が必要。それに勉強だけして試験に通ってれば仕事ができる、というものでもない。勉強で得た知識を、現場で実務を通して定着させていくことが大事なんですよね。だから現場に出られずに放っておかれちゃうと、頭でっかちな知識ばかりが増えちゃって役に立たない。それでも、私に少しでもいいから仕事させてくれれば、死ぬ気で結果を出すのに……。いろんな監査法人でそんなことが起きてるみたい」

監査法人で働くというと、稼ぎが良い代わりに連日徹夜するような、いわゆるハードな仕事だと思っている人も多いのではないだろうか。

「私自身も、監査法人って入る前はすごく忙しいイメージがあった。高校の先輩で、同じ業界の人がいるんですよ。確か初任給で700万円とか貰ってましたけど、その代わりすごい激務で、家に帰れる日が週2日しかないとかで……。私もそれは覚悟して入ったんだけど、実際のところは真逆ですね。

状況が変わるためには、景気がよくならないと厳しいでしょう。良くなっていると思いたい。ただ、リーマン破綻のころにくらべると、だいぶマシにはなってるとは思いますよ」

Mさんは、普段どのように職場で過ごしているのだろうか。

「業務時間で暇なときは、仕事に少しでも関連することであれば、勉強が許されています。それがきっかけで仕事を振られることもあるし。そこはいいところですよね。『勉強しなきゃ仕事できない』っていうのが、共通の認識としてある業界だから。 勉強しかしていなくても、怒られたりはしない。

一日の内、どのくらい勉強しているかって?長いときは、ずーーーーーーーっとですよ。朝から晩まで。9時から5時で働いている間、ずっと勉強して、ちょっとした仕事を振られることもあるから、ちょっとやって、終わったらまた勉強して……。最近はこれを繰り返してる。忙しい時期を除くと、ちょっとした仕事しかない状態です。まあ、売り上げに貢献できるような、胸張って仕事と呼べるようなものはないですかね……」

勉強してお金が貰える……読者の中には、「なんと良い仕事だろう」と思う人もいるかもしれない。しかし、仕事というものは、Mさんも言うように実務を通じて覚えていくもの。実務経験が積めない日々では、転職するにせよアピールする材料が何も無いということになる。

「入社して一年弱そんな感じですね。同僚でも辞めた人はいっぱいいます。辞めるのは若い人ばかりですね。理由は、やることが無いっていうのもあるけど、業界の将来が不安で、っていうのもある。力のある人はどんど ん辞めて転職してるみたいです。まぁ我慢して居続けて、いずれ職位が上になれば、それなりの給料を貰えますから。今の会社でバリバリ仕事するぞ、ってモチベーションは薄いですけど、まぁ、いい転職先がないようなら、今のところでチャンスを待つつもりです」

Mさんの表情は、どこか寂しそうにも見えた。東大を卒業し、大学院にまで進み、専門的な知識を得た彼が、せっかく入った会社で放置されてしまう。なんとももったいない話だ。

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※当インタビューは、Amazonのkindle専用書籍「東大の叩き方」の原稿から抜粋、改変したものです。インタビュー内容は執筆当時のものです。ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

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