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健康で効率的な最低限度の生活

社内失業、ミニマリズム、スポーツ

「外郭団体って、定時で帰れてパラダイスなんでしょ?と言われるけど、そんなことない…」社内失業していたRさんに話を聞いた

社内失業 インタビュー

「外郭団体」と聞くと、あなたはどんな職場というイメージを持つだろうか。ちなみに外郭団体というのは、wikipediaによれば

日本に於いて、官公庁の組織の外にありながら、その官公庁から出資・補助金を受けるなどして補完的な業務をおこなう団体のこと
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E9%83%AD%E5%9B%A3%E4%BD%93

だそうな。
要するに官公庁の下請け企業ということになるわけだが、となれば、「安定してそう」あるいは「定時で帰れて羨ましい」……なんてイメージだろうか。もしかしたら、「そういうところでノンビリと働きたいなぁ」なんて思う人もいるかもしれない。

今回ご紹介するRさんは、中央区の某外郭団体で正社員として働いていた20代の男性だ。現在は全く別の業界に転職している。

「当時の担当業務ですか?全くなかったです。せいぜい自発的にするコピー機の用紙を補充する程度ですね。当時はずっと『首にしてほしい』って思ってました。諦めの気持ちですよ。 当時転職活動のために通っていたハローワークの窓口では 『それって、嫌がらせだよ。辞めさせられるパターンだよ』と言われていました。

体は常にダルくてぐったりしているんですが、朝は5時ぐらいに目が覚めてしまう。今日も会社にいかないといけないのか……と重い気分で目が覚めるんです」

彼はなぜ、社内失業してしまったのか。話を聞いた。
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「大学を卒業して、最初は会計事務所で働いていました。派遣社員で、事務員として仕事をしていたんですが、ちょうどリーマン・ショックの前の景気がすごく良い時期に、社員をたくさん採用しはじめたんでですよ。社員数100人ぐらいの会社なのに、急に月に10人とか採用しはじめた。

いくら景気が良いからって大丈夫かな、と不安だったんですけど、ある時社長がいきなり「これから不景気に入るからね。でも、うちは大丈夫だから」と言い始めたんですよ。もしかしたら倒産でもするんじゃないか……と怖くなって転職活動をしようとした矢先にリーマンショックが起きたんです」

転職活動の甲斐あって、Rさんは都内の某外郭団体に正社員として雇用された。 リーマン・ショック直後の冬のことだった。

「結局、前職の職歴が評価されまして、経理担当としての配属になりました。 経理は課長ひとりと、その下にわたし含めて5人がいました。
前職の知識を活かせると思って嬉しかったんですよ。でも、後で他部署の人から『君、何か問題を起こしたの?どうして経理配属なの?可哀想にね」と言われたんです。その時は意味が分からなくて。まぁ、転職してそうそう”左遷”というのも変な話なので……」

なぜ周囲は、経理配属=左遷として捉えていたのだろうか。

「配属されて分かったけど、ベテランの女性仲良し3人組が、課内での実権を握っていたんですね。つまり彼女たちがほぼ全ての実務を取り仕切っていましたので、彼女たちに睨まれてしまうと、仕事を奪われて、爪弾きに遭ってしまうような状態だったんです。

私の他にもう一人男性がいたんですが、私が配属されるずーっと前から彼女たちの”いびり”に合っていたみたい。経理に配属されて以来10年近く仕事を渡されていなかったらしい。彼はほとんど課内ではしゃべらないので、彼自身から詳しく聞いたわけではないんですが、長い時間かけて仕事を狭められていって、結果、何もできなくなったんだと思う。10年経理にいるとは思えないぐらい知識もないし、担当業務も無い」

「彼女たちは、彼の机の引き出しからお金を勝手に取って、コンビニにお菓子を買いに行ったりしてましたからね」とRさんは悲しげな顔をする。いわゆる「お局様」たちが支配する職場で、その後Rさんは配属から3年間、結局仕事を割り振られなかったという。

「のんびりした外郭団体でしたから、もともと仕事量が少ないというのもあるんですが、仕事の内容も、担当の割り振りもガッチリ決まってた。新しく仕事を提案することで仕事を作ろうとしても『あなたが異動になったら、それを誰が引き継ぐの?』と言われて、何もできなかった。上司に相談しても、『我慢してくれ、新聞を読んで、気になる記事があったら切り取るとかして』と言われてしまった。じゃあなんで私は採用されたんだろう……と思ってたんですが、聞けば『若い人を増やしたかったから』らしい。たしかに、20代の私のひとつ上で40歳代なんですよね」

Rさんは2011年の秋に、会社内で倒れた。お局様たちから振られた雑用でミスをしてしまい、そのミスを叱責されている最中だったという。そのままRさんは退職する道を選んだ。

「結局、キャリアを活かして転職することも難しかったですね。霞が関でバリバリはたらく一部の超優秀なキャリアを除けば、公務員の仕事のスキルというものは、とても民間で通じるものじゃありません。
外郭団体で働いてたと言うと、『パラダイスだったんじゃない?』とか『なんで辞めちゃったの?勿体無い』と今だに言われるけど、そんなことない……。ある程度民間でキャリアを積んで転職するならいいのかもしれないけど、若いうちだったら民間で真っ当に働いたほうが絶対に良い」

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