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健康で効率的な最低限度の生活

社内失業、スポーツと健康

「君の存在は、うちの会社では認められない」と人事部に言われたメーカー社員さんに話を聞いた

Nさん(20代・女性)は、都内の某生活用品のメーカーに正社員として在籍している。
「うちの会社は新卒採用に力を入れていて、特に営業は、かなりの人数を採用をしています。学生から見ると、働きやすいイメージがあると思いますよ」
Nさんは大学卒業後、新卒として現在の企業に入社し、数ヶ月、営業職として新人研修を受けた。しかしある時、呼び出され、人事部の男性からこのように言われたという。
ー君の存在は、うちの会社では認められないー

「確かに私は、どちらかといえば営業向きの性格ではないのかもしれません。でも、当時は新社会人として、緊張しながらも頑張っていただけに、本当に衝撃を受けました」
それ以降、彼女は周囲から名前でなく「スタッフさん」と呼ばれる存在になってしまったという。彼女の身に一体なにが起きたのだろうか。話を聞いた。

彼女が人事部から渡されたのは、”労働条件変更に関する合意書”と書かれた一枚の紙切れだった。
「その合意書には、給与が半分程度にまで下がってしまうということも書いてありました。私は実家が福岡で、就職を機会に上京してきたばかりでしたので、給料がそんなに下がることは、本当に困りました。人事部に掛けあっても、『この合意を受け入れるか、退職するかのどちらかだ』と高圧的に言われるばかりで…」
結果、彼女はその合意を受け入れることになる。そしてそれ以来、契約上は正社員として雇用されていながら、通常の正社員よも”下”の身分とされる、「スタッフ」という階級に降格されてしまうのである。
「役職が”スタッフ”になってしまうと、『近いうちに辞める人』として扱われるようになります。給料が下がるだけでなくて、仕事の内容自体も大きく変わるんです。それまで私は営業としての研修を受ける立場だったんですが、担当していた顧客も外されてしまい、内勤での雑務係として再配属されることになった。とはいえ、電話に出ることさえ禁止されてるんですが…。上司に理由を聞いたら、『スタッフさんには、頭で考える必要のない業務しか回してはいけないことになってるから…。電話に出たら、どの部署に回そうとか、頭で考えることがでてくるでしょ?』だそうです。スタッフとしての再契約に合意してから、丸1年間は、ショックで…会社でもほとんど誰とも話さず、家でも引きこもってました。ようやく最近なんですよ。外に出よう、外の色々な人と話をしようと前向きになれたのは」

頭で考える仕事を与えない…。つまりは「君に任せる仕事はないから辞めてくれ」ということなのだろうが、人を人とも思わないひどい扱いだよこれは。違いますかね。

「”スタッフさん”と呼ばれる人たちは、会議にも呼ばれないんですよね。『スタッフさんは知る必要のないことだから』と。『スタッフさんたちは、一時的にうちの会社にいるだけで、いずれ辞めてしまう人たちだから、何かを話したり、仲良くしてもしょうがない』という空気が社内にあるんですよね」

私はこれまで幾人かの「退職勧奨」を受けた人たちに話を聞いたが、しかし、今回のケースのように、「社員の一部を辞めさせる」ことをあらかじめ想定した制度が、あけっぴろげに社内で運用されているケースは初めてだった。しかもそのことを伝えずに新入社員を受け入れているとするならば、これは会社としてのモラルが問われると思いません?もしかして、あなたの会社じゃありませんか?